1月 242014
 

私が所属するカンムという会社では、クレジットカード会社と組んで、CLO(Card Linked Offer)という事業をさせてもらっている。
※CLOというサービスはこの記事が詳しい。

これはもともとアメリカで興ったビジネスモデルなのだが、アメリカでは既に年間10億ドルを超える市場となっている。
2008年からはじまったこのCLOという市場であるが、今では多くのプレーヤーが存在ししのぎを削っている。

ちょっと古い記事ではあるが、CLOサービスを提供するプレーヤーがわかりやすくまとめられていたのでご紹介。

» Card Linked Offer (CLO) solutions – A peek! – BayPay Members Blogs

この図がとても分かりやすかった。
日本の人にも分かりやすいように、下の方に日本で該当する決済プレーヤーを配置してみた。

CLOベンダーは、大きくこの3つに分けることができる。
・決済センターと組むベンダー
・ブランドと組むベンダー
・イシュアと組むベンダー

■決済センター(Payment Processor)と組むベンダー

CardSpringという会社は、決済センターのFirst Dataと組んで、金融機関・加盟店向けにOfferWiseというCLOサービスを提供している。
決済センターとは、お店に端末を置いてお店とカード会社の間をつなぐ決済プレーヤーだ。

OfferWiseは、お店にFisrt Dataの端末をおけば、すぐに使いはじめることができる。
例えば、ユーザーがForsquareなどのメディアでカード番号を登録しておいてお店のオファーを受け取るとする。
お店では、そのカードで支払いをされると自動で割引され、リアルタイムに集計できる。

CardSpringは、LinkedIn創業者のReid Hoffmanが投資していることでも有名。

■ブランドと組むベンダー

ブランドというのは、いわゆるVISAやマスターカードなどの決済ネットワークを提供するプレーヤー。
それぞれのブランドが独自にCLOサービスを提供している。

マスターカードは、Truaxisというベンダーを買収し、Open Platform APIという、マスターが推進している決済APIの一つとして、CLOを提供している。

Amexは独自開発してソーシャルサービス(Facebook, Twitter, Forsquare)と連携するサービスを展開している。
Amexはブランドの中でもユニークで、会員と加盟店を自分で持っている。(VISA・マスターはネットワークだけ)
よって、会員にWeb上で告知し、Facebook IDとカード番号を登録してもらって、Like!してもらえば自動でオファーが登録される、という仕組みを作れている。

VISAは、この分野では後れを取っているが、世界一(銀聯が最近抜いた?)のブランドとして、面白い動きをしてきそう。

■イシュアと組むベンダー

イシュアは、いわゆるカード発行会社で、アメリカだと銀行がデビットカードを中心に発行している。
この領域が一番、独立系のベンダーが多く、Cardlyticsはバンク・オブ・アメリカと、Cartera CommerceはWells Fargoと組んで、サービスを提供している。
それぞれのカード会員に、Web明細やらアプリやらを通してオファーを提供し、お店でそのカードを使うと自動で割引が受けれる、というもの。

弊社のCLOも、クレディセゾンというイシュアと組んでサービスを提供しているため、この分類に入る。

どのCLOベンダーが勝つのか?

この記事の最後で、CLOベンダーの乱立は加盟店に手数料という負担を強いることになる、よってブランドの提供するCLOが、手数料を求める必要もなく、良いサービスととして大きくなりそう、と述べている。
実際、多くの新興ベンダーは、データ解析やモバイル展開などに強みを持ちつつ、よりブランドとの関係性に重きをおいているそうだ。
同じCLOでも、色々なバリューの提供の方法がある、ということだろう。

CLOは日本でも始まったばかりの領域で、そもそも認知がされていない状態なので、弊社としても探り探りで商品開発をしている。
そんな新しい市場を一緒に作っていきたい人を募集しています!(結局ハイアリングに流すという…)

8月 072012
 

前回の、クレジットカードが次のアプリプラットフォームになる、という記事で、決済の仕組みがオープンになり、様々な開発者が決済の現場に新しいサービスを持ち込んでくるだろう、とReid Hoffmanの予言を紹介した。

今回は、決済とO2O(Online to Offline)サービスの融合に関する、非常によくまとめられた資料を見つけたのでご紹介したい。

正確にはO2Oというよりも、もっと定義を広く、リアル店舗を絡めた全ての事業領域のまとめといった感じ。

最近の購買行動の変化

ここ最近、スマホや価格比較サイト、ECの充実によりリアル店舗での購買行動が劇的に変化している。

昔は、ただ単にお店に言って現金で買う、という買い物の流れだったが、今はまずネットで最安値のお店を調べたり、クーポンを探したり来店前に調べる、というアクションが加わった。
また、店舗に行った際も価格比較サイトやECの最安値を提示して値切ったり、その場でチェックインしてクーポンを見せたりできるようになった。
さらには、決済手段も、電子マネーやスマホ決済など多種多様になった。

それはつまり、関係するサービス・企業が多くなってきている、ということでもある。

ショッピングエコシステム・カオスマップ

この資料では、関連企業をカオスマップ形式で分類している。
アドテクのカオスマップもカオスだが、こちらはこちらでカオスだ。

ただ、GoogleやGrouponならまだしも、その他の米国企業はほとんど知らないので全体像がつかみにくい。
そこで日本版を簡易的に作ってみた。

日本版ショッピングエコシステム・カオスマップ

アメリカに比べてスカスカな感があるが、まだプレーヤーが少ないというのと、筆者があまり関連企業を知らない(特に大手B2B)ため、そこはご容赦いただきたい。

ただ、ほとんど既知の会社ばかりなのでカオスマップの説明がしやすい。

このように、左側を企業サイド、右側をマーケティング(消費者)サイドと見ると分かりやすい。

真ん中の円は、実際に消費者と接するサービスを提供する企業群になる。

それぞれの分野を日本の業者分類で言うと、左上から、こんな感じだろうか。

・Marketing/Research:総研、市場調査
・Payments:決済
・Point of Sale:POSレジ
・InStore Marketing:店舗内販促
・Integrated Systems:流通システム
・Bar Code Scanners:バーコードスキャナ
・Digital Coupons:オンラインクーポン
・Rewards/CLO:限定特典
・Customer Loyalty: ポイントカード
・ Traditional Coupons:オフラインクーポン
・Account Marketing:広告代理店
・Digital Commerce:EC、レコメンドエンジン
・eReceipts:電子レシート

それぞれ見ていくと、下記の4つのホットトピックが浮かび上がってくる。
これらの普及により、プレーヤーに変化が起きてきていて、多くの事業チャンスが生まれている。

・スマホ、iPad
・デジタルサイネージ
・電子マネー
・Big Data、データ分析

逆に言えば、アメリカで進んでいるのに日本では変化が起きていない分野にも、誰も気付けていない事業チャンスが眠っているのかもしれない。

まとめ

他にも様々な示唆を提示してくれているこの資料だが、今回はプレーヤーの全体像にフォーカスして記事を書いてみた。
これらがリアル店舗を絡めた事業を行うスタートアップの人の助けになると幸いである。

日本版カオスマップについて、こういう企業がある!この企業はむしろこっちじゃないか?などありましたら、コメント欄でお知らせいただけるとありがたいです。

※ただいま僕は仲間を募集しています。データに強いエンジニアの方、是非に!→詳細

[追記]
2014/1/24 弊社でも、CLO(Card Linked Offer)というO2Oサービスを開始いたしました。参考↓
» 決済マーケティングのカオスマップ?:米国のCLO(Card Linked Offer)プレーヤーまとめ

[訂正]
2012/8/8 カオスマップ、POSエリアを中心に7社追加。POSとカードリーダー(決済)を区別。

[追記]
2012/8/9 スペースに限りがありますので、掲載依頼等にはお応えできない場合もございます。