日米のO2O系サービス徹底比較:カオスマップ作りました

前回の、クレジットカードが次のアプリプラットフォームになる、という記事で、決済の仕組みがオープンになり、様々な開発者が決済の現場に新しいサービスを持ち込んでくるだろう、とReid Hoffmanの予言を紹介した。
今回は、決済とO2O(Online to Offline)サービスの融合に関する、非常によくまとめられた資料を見つけたのでご紹介したい。
正確にはO2Oというよりも、もっと定義を広く、リアル店舗を絡めた全ての事業領域のまとめといった感じ。

最近の購買行動の変化

ここ最近、スマホや価格比較サイト、ECの充実によりリアル店舗での購買行動が劇的に変化している。
昔は、ただ単にお店に言って現金で買う、という買い物の流れだったが、今はまずネットで最安値のお店を調べたり、クーポンを探したり来店前に調べる、というアクションが加わった。
また、店舗に行った際も価格比較サイトやECの最安値を提示して値切ったり、その場でチェックインしてクーポンを見せたりできるようになった。
さらには、決済手段も、電子マネーやスマホ決済など多種多様になった。
それはつまり、関係するサービス・企業が多くなってきている、ということでもある。

ショッピングエコシステム・カオスマップ


この資料では、関連企業をカオスマップ形式で分類している。
アドテクのカオスマップもカオスだが、こちらはこちらでカオスだ。
ただ、GoogleやGrouponならまだしも、その他の米国企業はほとんど知らないので全体像がつかみにくい。
そこで日本版を簡易的に作ってみた。

日本版ショッピングエコシステム・カオスマップ

アメリカに比べてスカスカな感があるが、まだプレーヤーが少ないというのと、筆者があまり関連企業を知らない(特に大手B2B)ため、そこはご容赦いただきたい。
ただ、ほとんど既知の会社ばかりなのでカオスマップの説明がしやすい。

このように、左側を企業サイド、右側をマーケティング(消費者)サイドと見ると分かりやすい。
真ん中の円は、実際に消費者と接するサービスを提供する企業群になる。
それぞれの分野を日本の業者分類で言うと、左上から、こんな感じだろうか。
・Marketing/Research:総研、市場調査
・Payments:決済
・Point of Sale:POSレジ
・InStore Marketing:店舗内販促
・Integrated Systems:流通システム
・Bar Code Scanners:バーコードスキャナ
・Digital Coupons:オンラインクーポン
・Rewards/CLO:限定特典
・Customer Loyalty: ポイントカード
・ Traditional Coupons:オフラインクーポン
・Account Marketing:広告代理店
・Digital Commerce:EC、レコメンドエンジン
・eReceipts:電子レシート
それぞれ見ていくと、下記の4つのホットトピックが浮かび上がってくる。
これらの普及により、プレーヤーに変化が起きてきていて、多くの事業チャンスが生まれている。
・スマホ、iPad
・デジタルサイネージ
・電子マネー
・Big Data、データ分析
逆に言えば、アメリカで進んでいるのに日本では変化が起きていない分野にも、誰も気付けていない事業チャンスが眠っているのかもしれない。

まとめ

他にも様々な示唆を提示してくれているこの資料だが、今回はプレーヤーの全体像にフォーカスして記事を書いてみた。
これらがリアル店舗を絡めた事業を行うスタートアップの人の助けになると幸いである。
日本版カオスマップについて、こういう企業がある!この企業はむしろこっちじゃないか?などありましたら、コメント欄でお知らせいただけるとありがたいです。
※ただいま僕は仲間を募集しています。データに強いエンジニアの方、是非に!→詳細
[追記]
2014/1/24 弊社でも、CLO(Card Linked Offer)というO2Oサービスを開始いたしました。参考↓
» 決済マーケティングのカオスマップ?:米国のCLO(Card Linked Offer)プレーヤーまとめ
[訂正]
2012/8/8 カオスマップ、POSエリアを中心に7社追加。POSとカードリーダー(決済)を区別。
[追記]
2012/8/9 スペースに限りがありますので、掲載依頼等にはお応えできない場合もございます。