Amazon Go – 無レジ決済の始まり


先日Amazon Goが発表されました。
これで無人店舗が加速度的に広まる気がしています。
■目次
【アメリカ】Amazon Goの発表
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【アメリカ】Amazon Goの発表


先日、Amazonが無人のコンビニを発表いたしました。
上の動画がコンセプト動画で、要はAmazon
Go用のアプリをスマホに入れて、入店時にスマホアプリでQRコード認識して、店内で専用のカバンに商品を入れて退店したら自動で決済される、というコンビニです。
» レジでの精算はもういらない:アマゾンの食料品店「Amazon Go」に行ってみた
具体的にどういう技術で実現しているかは詳しくはわかりませんが、店内カメラによる画像認識とRFIDを商品につけてセンサー認証している模様です。
“■「自動運転」の技術を活用
 アマゾンによると、Amazon
Goで用いられている技術は、コンピュータビジョン(画像認識)、深層学習アルゴリズム、複数センサーの連携。これを束ねて「Just Walk
Out技術」と名付けている。”
» 「AmazonGo」はショッピングの革命となるか
決済は、Amazon Goアプリを入れている時点でAmazonのアカウントを紐づき、そこのクレジットカードで決済されます。
まず真っ先に万引きや不正決済のリスクが思い浮かびますが、そもそも既存のコンビニの商品欠損率も5%程度あり、もしかしたらそれよりも低いリスクになるかもしれません。
この技術の凄いところは、導入が簡単なところだと思っています。
もちろん、今すぐAmazon並のセンサー技術を駆使して実現できる企業は、他にGoogleくらいしかいません。
しかし、その技術は数年経てばコモディティ化して、店舗にカメラとセンサー入れて、アプリを消費者に入れさせるだけで実現できてしまいます。
我々が思っている以上のスピードで浸透してしまう可能性があります。10年以内とか。
国内ではセブンイレブンが実証実験等始めたらその1年以内に一気に光景が変わると思います。
実際、ユニクロはRFID技術を使ってセルフレジを実験しており、小売からすると導入しない理由がない技術に思えます。
» GUのセルフレジを体感 時間短縮で満足度UP ファストリ
そうなると決済の情景も一気に変わり、Apple Pay云々じゃない世界になります。
重要なのは、どのアプリ or 端末が無人レジの”受け手”になりうるか?です。
例えば、仮に国内で浸透するに当たって、いちいちセブンイレブンアプリとか、ローソンアプリとか入れる仕組みだと広がらないはずで、するとどこか強いプラットフォーマーが握ることになるでしょう。
Apple / Googleがその機能を提供するのか、Amazonが他社チェーンに技術・機能を提供するのかわかりませんが、今以上にそのあたりのプレーヤーが決済の肝を握り、アクワイアラ的な振る舞いを担うことになるはず。
カード会社は、トランザクションは確実に増えるので嬉しい半面、自分たちの管理領域が浸透され、精算代行的なバリューしか発揮できず、決済手数料もだだ下がりしてしまうかもしれません。
なお、ちょうど昨日、ローソンが自動商品認識・袋詰装置を発表していました。
» こんなコンビニ待ってた!レジ支払、袋詰め全て自動
【PR】 弊社で運営しているバンドルカードのAndroid版をリリースいたしました。

国家戦略としてのIoTの狙いとその後の決済周り


以前何かの勉強会で仕入れた、国家戦略として、IoTをどうしたい、って話をまとめて、決済業界としても張っていきたい、という話を雑に書きました。
■目次
【日本】国家戦略としてのIoTの狙い
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【日本】国家戦略としてのIoTの狙い

https://lp.deepanalytics.jp/iot/1st/#/about
ちょっとリンクとは全然関係ないのですが、以前何かの勉強会で、日本国家としてIoTに投資する狙いが話されていたのでまとめます。
①小売に押されているメーカーを復活させる
②M2M(機械間=P2P)の通信レイヤーでの主導権を握る
①小売に押されているメーカーを復活させる
まず、世界的に、メーカーより小売の方が強い流れは生まれていて、セブンやイオンのプライベートブランドの勃興はその最たる例だと思うのですが、その分メーカーの競争力が弱まっている、と。
いわゆる、物の良さよりも、メッセージや売り方の方が商品を売るのに重要となっていて、直接消費者と接する小売の方が、例えば価格決定の交渉力が強い、という構造です。
それに対して、ちゃんとしたIoTが生まれて市場化されると、メーカーが直接、消費者との接点を持って、競争力が強まる、という算段です。
そのハードウェア自体が、消費者とコミュニケーションして、CRM的なこと、クロスセル/アップセルの提供等ができるようになる、と。
②M2M(機械間=P2P)の通信レイヤーでの主導権を握る
そして、2つめの狙いとして、インターネットレイヤーは米国に握られている、という実態からM2Mの通信規格で日本が主導権を握りたい、という思惑もあるそうで。
つまり、IoTでも、通信はインターネットではなく、M2Mの独自通信でやろうぜ!っていうことで、インターネットとは比にならない速度の通信インフラを整えたい、と。
たしかに自動運転系では、レイテンシ(通信の遅れ)が命取りになったりします。
ただ、こういう主導権握る系って、結局一番先にアプリケーションを作って、一番先にある程度のグローバルなユーザーを獲得しちゃう会社の存在する国が握っていると思っており、インターネットはMicrosoft/Yahoo/Google/Apple/Amazonがある米国が軸になったよね、決済は下手したらAlipay/WeChat
Payがある中国だよねって感じで、民間の国際マーケティング力が試されているのだと思います。
日本の事例だと、カセットとかVHS(=ビデオ)とかですよね。
という観点でどこが主導権を握るかは、日本の決済業界も注意・投資したい領域だと考えており、なぜならIoTが普及すると決済の形も変わるからです。
それこそ、プラカードなんていらなくなりますし(眼鏡/指輪とレジが勝手に通信とか)、その精算は月次払いである必要はなくなり、ビットコイン的なインフラの上のデビットカードっぽいリアルタイム決済手段が主流になると予測しています。
実際、AliPay / WeChat Payの正体は銀聯のデビットカードです。
具体的なアクションとしては、例えばIoT用SIMを作っているSORACOMが、決済ソリューションを出していくるタイミングを予測したり、提案したり、とか…
マイナンバーをSIMに載せる、という話がある中で、SIMはより一層重要なポジションになっていくはずです。
宣伝ですが、今回イシュアとしてのオペレーションを回している中で、あまり世の中に伝わっていないカードの仕組みとかを、こちらのコラムで書き始めていますので、もしよろしければご笑覧ください。
» プリペイドカードでもガソリンスタンド等に対応する方法
http://hello.vandle.jp/unusable-merchants-solution/

Apple Pay的な某が普及した世界にはメインカードは存在しない

先日、弊社プリカでビットコインチャージを再開して、その時に合わせてpediaにインタビューしていただきました。

» IoT化された新しい世界に必要な「カードの未来」…カンム代表取締役社長の八巻氏が語る、少額決済の可能性
https://thepedia.co/article/1422/?order=1&primary_tags=Kanmu
その中で、Apple Pay的な某(なにがし)が普及すると、メインカード、という概念がなくなると思います、ということを書いています。

1. Apple Pay的な某が普及すると、クレジットカードや電子マネーを複数持つことに負担がなくなります。そして、お店によって最もオトクなカードを自動で選択して決済してくれる機能が生まれます。 ※Apple Payにはそういう機能はありませんが、”某”が作るのは必然だと思います。
2. すると、ハウスカードが一気に増えます。なぜなら、そのお店で最もオトクな決済手段を提供できるのはそのお店だからです。ここで、与信のいらない全員に即時渡しできるプリペイドカードを選択するお店も増えるでしょう。
3. 同時に、ハウスカードすら出さずに、既存の決済手段に相乗りする、CLO/特約店✕CRMという分野が生まれます。要は、CLOで使った人のデータをお店のCRMと連動したらそれがいわばハウスカードの役割を果たすので、生カードを発行しなくてもよい、という選択をするお店も増えると思います。
4. カードの話に戻すと、このカードを主に使おう、ということがなくなり、メインカードという概念がなくなります。その場で勝手に一番オトクなカードが使われるのですから。一番はじめに作ったカードをなんとなく使い続ける層はいなくなります。ただ、ハウスカードがない場合の決済手段としてデフォルトカード、というものが生まれます。(ある種メインカードと言えますが、もっと消去法的です)
5. デフォルトカードの候補は、強いポイントを提供できるカード会社のカードが選ばれやすくなります。
6. そしてカードそのものにロイヤリティはなくなります。旅行のときは保険の強いカード、車乗るときは車のカードなど、シーンごとに使い分けられるからです。そして、リボや分割払いに強い、金融に特化したカードも生まれ、カードローンの人たちの参入が増えるでしょう。お店でブラックカードをちらつかせてモテる、という文化も消えると思います。
7. メインカードがなくなると、リボ等の金融商品の導線も弱くなりなります。よって、デフォルトカードを目指すカード会社(ポイント系、ラグジュアリー系)、ハウスカードを主軸にするマーケティング系カード会社、リボ専用カード等の金融に特化したカード会社に如実に分かれていくと考えています。

これは、一回自分のFacebookで出していた話でして、いただいたコメントのご回答を。

ポイント/割引オタクみたいな人はそうなるだろうけど、普通の人はそこまでしない

今のクレジットカード業界はまさにそうで、わざわざポイントのために複数のカードを持ち歩く人のほうが少ないとは思うのですが、それを1箇所にまとめて(スキャンしたりして)自動で出し分けしてくれる存在が、”Apple Pay的な某”、というものだと思っています。
敢えて某(なにがし)と書いてるのはそういうことで、そんな簡単なルールは今のマシンラーニングの技術でも割りと簡単に実現できると思います。
あとは、1箇所にまとめておける、というインフラの問題なので、それこそ2020までに、ブランドの非接触端末(スイカみたいにかざすだけで決済できるやつ:Visa payWaveとか)が普及すると、Apple Payじゃなくてもそういう某が作れちゃうと思うのです。
そうなると、カードというのはアプリ上で簡単に発行される、ということが選ばれるための前提条件となって、ブランドプリペイドが普及しはじめるような気もしています。
いよいよ小売が消費者金融を握る感じになるのでしょうか。
宣伝ですが、今回イシュアとしてのオペレーションを回している中で、あまり世の中に伝わっていないカードの仕組みとかを、こちらのコラムで書き始めていますので、もしよろしければご笑覧ください。
» ガソリンスタンドや宿泊施設がプリペイドカードで使えない理由
http://hello.vandle.jp/why-unusable-merchants/

アプリマーケティングの変化 – iOSリワードの報酬激減とモバイルWebの勃興


今日はスマホアプリ系の話題です。
ちょうど先週出たiOSアプリ課金アフィのニュースと、ここ2年でのモバイルウェブとアプリのバランスについてです。
■目次
【日本】App Storeのアプリ内課金アフィリエイト日本だけ7%→2.5%に引き下げ
【日本】モバイルウェブ、この2年で82%成長
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【日本】App Storeのアプリ内課金アフィリエイト日本だけ7%→2.5%に引き下げ

http://app.tokyo/2016/10/18/10144/
今まで、App Storeが公式に出していたアフィリエイトの仕組みがありました。
要は、このリンクを踏んでアプリで課金すると、そのリンクを提供した業者に7%を報酬として支払う、という仕組みです。
カード会社のポイントモールと仕組みは一緒で、アプリ課金に対して報酬があるのと、Appleが公式に提供している点が異なります。
その報酬額が課金額の7%だったのが、2.5%に下がった、というニュースです。
しかも日本だけ。
これは、ユナイテッドが運営しているSMARTGAMEといった、アプリ課金専用のモールのようなところを狙い撃ちしたAppleの施策、という見方です。
https://smartgame.jp/login_top.html
SMARTGAMEでは、このサイト経由でアプリ課金すると、5%がキャッシュバックされるサービスをユーザー向けに提供しており、残る2%を売上としていました。
これが、報酬額が2.5%になったので、実質2%くらいしかキャッシュバックできなくなり、売上も0.5%となり、死屍累々となるかも、という話です。
また、アプリのマーケティングで中心だったブースト(インストールしたら50pt!のようなアフィリエイトを大量出稿して一気にランキングを上げる)が規制されて、この方法が確立されたのですが、これも規制されたので、次のゲームを中心としたアプリのマーケティング手段がどうなるのか、が注目ポイントです。

【日本】モバイルウェブ、この2年で82%成長

 アプリ上場企業のイグニス取締役の佐藤さんのツイートです。
スマホ向けのサービスを見る上で、モバイルウェブとアプリは分けて考える必要があります。
モバイルウェブは、GoogleやYahooから検索して、SafariやChromeで見るスマホに最適化されたWebサイトで、アプリはApp
Storeからインストールするものです。
その2つのバランスがここ2年でも大きく変化したよ、という話で、モバイルウェブへのアクセスが2倍弱になったけど、滞在時間は3割減、かたやアプリはモバイルウェブの20倍の滞在時間があるけど、もはや新しいアプリはインストールされなくなってきている。
つまりは、簡単なお知らせや消費向けコンテンツはモバイルウェブに、がっつりコミュニケーションする必要があるものはアプリに、という住み分けがはっきりしだした、ということだと思います。
しかし、アプリは新しくインストールさせるのが難しくなっており、アフィニュース同様アプリマーケティングの難易度が上がっています。
ちゃんとアプリ名で検索されるようにマスマーケティングをしないといけない、ということかもしれません。
続きはWebで、じゃなくて、続きはアプリで、的な。
例えばカード会社で、新しいコンセプトのアプリ(例. メディア系アプリ、モールアプリ、CLOアプリ
等)出す場合は、まずは明細アプリ等のテッパンのアプリでユーザーを獲得して、そこから流すとか、知名度のある自社名を冠したアプリにするとか、より工夫が必要になりました。

【告知】
9/16にオリコ様と組んで、アプリ型のVisaプリペイドカードを発行させていただきました。
» カンムとオリコが提携し、Visaプリペイドカード『Vandle』発行
http://vandle.jp/

個人情報管理「情報銀行」 年度内に企業向け指針

■目次
【日本】個人情報管理「情報銀行」 年度内に企業向け指針
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【日本】個人情報管理「情報銀行」 年度内に企業向け指針
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160916/k10010689491000.html
要は政府主導でネット上や病院等のの個人情報(購買履歴等)を一箇所に集めれば、企業はデータの利用がしやすいし、個人も一箇所で管理できて安全じゃね?っていうものです。
東京大学空間情報科学研究センター教授の柴崎亮介氏が提唱した概念。
> パーソナル情報の安心利用へ、「情報銀行」の可能性
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/71475516.html
この画像がわかりやすい↓

“情報銀行は、この明確な本人の許可をもとに、匿名化されたパーソナル情報を企業に貸し出す。企業は貸し出された情報をビジネスに活用できる。
パーソナル情報を提供してくれた個人には、企業からの見返りとしてパーソナル情報にもとづくサービスを提供したり、何かしらのポイントを付与したりする。”
情報銀行のカード会社のメリットとして、例えば、POSデータを小売からもらって、それをもとに与信モデルを作る(毎日発泡酒を買ってる人は怪しいとか)みたいなことが容易になります。
今までは、小売企業と契約した上で、さらに会員の同意が必要でした。
それには会員規約をいじったり、Webで確認あるいは手紙で告知等、非常に難易度が高かったのですが、情報銀行があると、POSデータを渡しても良いという個人のデータを簡単に取得することができます。
ある種、カード業界的にはCICに近いものかもしれません。
(CICには個人の許可を得る、というものがありませんが)
ただ、ネット界隈では総スカンをくらっております。
「本当にまともなベンダーがまともなシステムを作れるんかいな?」「なんで勝手にデータを収集されないといけないのか?」「政府がTポイントみたいなことやりだすのか?」等等。
> 情報銀行とはなんぞやという話
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160914-00062191/
山本一郎先生もおっしゃる通り「そもそも流通する価値のあるデータとは何か?」という議論自体があまり行われていない印象で、例えば上記のPOSデータ使った与信モデルが本当に効果があるのかはわかりません。
データの粒度が細かくなるので、コストは膨大にかかって結果は事故率が0.1%だけ低減、的な結果に終わりそうな気配もします。
個人的には、データの流通促進!云々の前に、各々貴重なデータを持っている事業会社がまともにデータを扱える人を採用するor育てることのほうが先決なのでは?と思っている次第です。
既にあるデータを分析するより、データの取得のところから設計しないと、良い結果になることは稀です。
(住所が全角と半角混じっていて、まともに分析できない、といったことは多々ある話で)
他の論点としては、どこかが一極集中で管理するのではなく、ブロックチェーン然り、分散で個人が管理する形が良い、という意見も見て、それはそれで面白い形だな、と思いました。
“情報銀行みたいに、情報を(匿名化したとしても)一つの場所に集約させるみたいな考えは完全に時代に逆行しています。次世代のインターネットを試行するなら、個人が完全に自分の個人情報をコントロールできるアーキテクチャを考えるべきと思います。”
https://twitter.com/tyk97/status/775261982370914304
“個人情報は、集中して情報銀行で管理するのではなく、分散型になります。つまり、個人がそれぞれのプライベートキーで個人情報を管理し、暗号化して、分散ストレージに保持します。情報は個人だけがコントロールして、利用を都度許諾することができるようになっていくようになるでしょう。”
https://twitter.com/tyk97/status/775261660088983552

【告知】
9/16にオリコ様と組んで、アプリ型のVisaプリペイドカードを発行させていただきました。
> カンムとオリコが提携し、Visaプリペイドカード『Vandle』発行
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000012797.html

金融庁の金融レポート

■目次
【日本】平成 27 事務年度金融レポート 平成 28 年9月金融庁
【日本】金融サービスに傾倒する小売業は衰退する(このジンクスに楽天は勝てるのか?)
【日本】アップルとグーグル、アプリで競争相手排除も

 

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【日本】平成 27 事務年度金融レポート 平成 28 年9月金融庁
http://www.fsa.go.jp/news/28/20160915-4/01.pdf
金融庁から金融レポートが発表されてました。
その中でFinTechの部分だけ取り上げますと、2015年12月に設立された「FinTech サポートデスク」の結果が報告されています。
“開設以来、総計 91 件の問合せが寄せられており(2016 年6月末時点)、月平均 13 件の問 合せが寄せられている。”
http://8maki.jp/finance-startups/wp-content/uploads/2016/09/302c3b8962d8d33c5f2c6c5d42f97f2c.png
上の画像は業種別・法律別の相談件数が円グラフ化したものですが、多い順に。
・業種:代理・仲介・販売、仮想通貨、クラウドファンディング、セキュリテイ、ロボアドバイザー、送金、決済代行、その他
・法律:金融商品取引法、資金決済法、銀行法、貸金業法、犯収法、保険業法、外為法・国調法
証券仲介・販売→金融商品取引法、仮想通貨→資金決済法(資金移動業)、クラウドファンディング→銀行法のような組み合わせだと思います。
ある種、新しい事業領域がどこか?というバロメーターになっているはず。
【日本】金融サービスに傾倒する小売業は衰退する(このジンクスに楽天は勝てるのか?)
http://newmktg.lekumo.biz/.s/blog/2016/08/post-1554.html
ニュースというよりもコラムですが、小売が金融(カード含む)やって、金融が儲かって小売がおざなりになって衰退する企業多いよね、というものです。
ここでは楽天がそのジンクスに入りつつあり、楽天市場自体やらなくなるのでは?という論がありますが、個人的には下記にある通り、楽天カードの価値は楽天市場なのでそうそうやめないと思っています。
“楽天の金融事業の中心はやはり楽天カードで、これの肝は楽天ポイントで、楽天ポイントは結局小売でなんでも買えるという価値なので、ECやめれない気がする”
https://twitter.com/8maki/status/774030513996652544
【日本】アップルとグーグル、アプリで競争相手排除も
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H4C_U6A910C1EA2000/
いわゆるアップル税と呼ばれる、アプリ会社が課金機能を提供するときに、アップルの決済機能を使うと30%取られる手数料が、「競争相手の排除につながる」という理由で公取委から狙われている、とのこと。
たしかに昔からアプリベンダからアップル税が高すぎる、と言われてきまして、粗利の低いECや電子書籍アプリの会社は自前で決済機能を提供することがほとんどでした。
これ、アップルペイへの影響もあると思っており、イシュアへの手数料が相当高いと聞いているところにメスが入るとモバイル決済普及のシナリオが見えるかなーと。
今のところ、カード業界でアップルペイの普及を歓迎している人はあまりいないように見えます。
個人的に、今最も発言力のある楽天カードが初期パートナーに入っていないところが気になっています。

【告知】
9/16にオリコ様と組んで、アプリ型のVisaプリペイドカードを発行させていただきました。
> カンムとオリコが提携し、Visaプリペイドカード『Vandle』発行
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000012797.html

iPhoneにフェリカ搭載の噂


iPhoneにフェリカ、さらにはモバイルSuicaが載るのではないか?というお話について、実現の可能性と、カード会社への影響を考察してみました。
■目次
【日本】iPhoneにフェリカ 「おサイフ」に現実味
【欧州】ポケモンGOはライバルのアプリ内購入も加速―DoCoMo Digitalの調査が意外な結果
【アメリカ】ヘッジファンドの新たな武器は小型衛星
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【日本】iPhoneにフェリカ 「おサイフ」に現実味
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06477580V20C16A8000000/
» 「9月発表のiPhoneにFeliCa搭載」に新証言が続々――背後に、アップルとJR東日本を仲介した「日本のキャリア」の存在
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1608/26/news061.html
来月発表という噂のiPhone7で、フェリカが搭載されるのでは?つまり、モバイルSuicaやEdyがiPhoneで使えるようになる(かもしれない)というニュースです。
この記事では、JR東がフェリカ普及のために猛Push中、Apple側も唯一シェアの落ちてない日本市場を固める、ということが書かれています。
では本当にフェリカが載るのか、というよりモバイルSuicaが載るのでしょうか?
まず論点の一つとして、決済手数料がどうなるか?です。
そもそも電子マネーなんでそうそう高い手数料を加盟店から取ない中で、Appleがどういう収益構造を入れてくるのか?
ガラケーやAndroidのフェリカは、現状、携帯メーカーが頼んで載せてもらっているそうで、メーカー側が決済手数料なんて取れないのが当たり前の中、Appleが手数料を要求した場合、JR東がフェリカ普及のためにその条件を飲むのか?
上記の記事を見る限り、JR東とAppleだとAppleの方が力関係が強そうで、Apple Pay同様に電子マネー事業者にフィー請求することになるでしょう。
また、Appleのメリットを考える上で、これをやった場合Apple Payがどうなるのか?も考えないといけません。
実際にiPhoneにモバイルSuicaが載った場合、モバイルSuicaの普及は相当数見込めますが、それでApple Payの普及が遅れる場合、Apple側としては導入は難しい。
そこを左右するのはおそらくコンビニで、iPhone決済はモバイルSuicaだけでよくね?となるのか、Apple Payもちゃんと対応するのか?なのかなーと。
あるいは、Visa payWave/マスターカード コンタクトレスが、フェリカに対応するとなると、コンビニは導入がしやすくなるはずで、モバイルSuicaだけでなくApple Payも一気に普及します。(このシナリオはあまり現実的ではない気がしますが)
そしてカード会社への影響ですが、仮にコンビニのApple Pay対応無しでそのままiPhoneにモバイルSuicaが載るだけだと、トランザクションの低下は必至かと思っています。
単純にコンビニでのカード払いがSuica払いに流れるだけでなく、トランザクションが増えてSuicaの決済手数料が下がり、他の多くの加盟店がSuica払いに対応していくことで、カードの利用シーンが減るかもしれない、というシナリオです。
もちろん、クレカ払いしてる奴はポイント目当てだからそうそう流れない・流れるとしたたら現金から、とか、Suicaはあくまでプリペイドだからクレカとはそもそも違う、という考え方もあるので一概には言えませんが、大きな変化を起こすのは必至です。
また、どっちにしろ非現金払いが増えるので、銀行ATMの収益は激減しそう。
【欧州】ポケモンGOはライバルのアプリ内購入も加速―DoCoMo Digitalの調査が意外な結果
http://jp.techcrunch.com/2016/08/25/20160824pokemon-go-is-boosting-competitor-in-app-purchase-revenue-too/
以前からポケモンGOについては書かせていただいてますが、ポケモンGOによって、他のアプリの課金金額も総じて上がっており、スマホゲーム業界全体の底上げになっている、という記事です。
“つまりユーザーがモバイルデバイスでポケボールを買い始めれば、デジタル・グッズの購入に対するハードルは低くなる。”
とあるように、今まで課金をしたことない人が、この体験で課金し始めた、ということです。
【アメリカ】ヘッジファンドの新たな武器は小型衛星
http://jp.wsj.com/articles/SB10191232058230093692804582256142915944670
これは決済とはあまり関係ない小ネタですが、ヘッジファンドが小型衛星を導入する時代に突入しつつある、という記事です。
自社衛星を使って、例えば小売店の駐車場を常に監視して売上を予測する、だったり、石油プラントの採掘量を予測する、ということをヘッジファンド側でやる、ということが書いてあります。
この流れが本格的になると、リサーチが必要な全ての業種で人工衛星を打ち上げる時代が来るかもしれません。
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ポケモンGO、結局のところガチャゲーそのものなんだよね


■目次
【日本】ポケモンGO、結局のところガチャゲーそのものなんだよね
【日本】「Pokemon GO」マクドナルドの業績回復に貢献 7月売上高、26.6%増 (1/2)
【日本】AnyPayは個人間送金の問題に挑戦するーー連続起業家、木村新司氏の新たな挑戦
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【日本】ポケモンGO、結局のところガチャゲーそのものなんだよね
https://twitter.com/ashikagunso/status/760620142992556033
“ポケモンGO、結局のところ「ふかそうち」課金がメインになるので実はガチャゲーそのものなんだよね”
裏ネットのご意見番、アシカ軍曹のこの洞察はなるほどな、と思った次第です。
Pokemon Goの課金ポイントは、街を歩いても手に入らないレベル上げ用のアイテムや、普通では手に入らないポケモンを手に入れる装置になりますが、結局後者はランダムにポケモンがもられるものなので、ガチャと一緒だよね、という話です。
【日本】「Pokemon GO」マクドナルドの業績回復に貢献 7月売上高、26.6%増 (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1608/05/news078.html
Pokemon GOと連携しているマクドナルドの売上が上がったとのことです。
ポケスポットやジムという、数分はその場にいないと行けないゲーム上の場所が、長居しやすい飲食店と相性が良い、という実績が出たことになります。
これで、連携する飲食チェーン(特にファーストフード、カフェ)が増えるでしょう。
逆に、飲食以外ではまだ可能性がわかりません。
【日本】AnyPayは個人間送金の問題に挑戦するーー連続起業家、木村新司氏の新たな挑戦
http://thebridge.jp/2016/08/anypay
ニュースアプリGunosyの収益化、上場への道筋を支えたエンジェル投資家の木村さんが、個人間送金のサービスを立ち上げられました。
中身はシンプルで、店を一瞬で立ち上げて、購入主はクレジットカードを登録して決済できる、というものです。
今まで、スマホ決済等で、実質個人が加盟店になって個人間送金になってるケースはありましたが、個人間送金!というのを明確に打ち出したサービスはある種初だったかな〜と。
普通に考えたら、資金移動業ないとダメじゃね?とか、カードの現金化にも使えるからダメじゃね?って話になりそうではありますが、個人的にメルカリ等も個人間送金に参入しそうな気もしており、そういう流れができると一気に法律もユーザーも変わる可能性があると思います。
実際、中国・アメリカはスマホでの個人間送金は当たり前になっているわけですし。
(デビットカードの普及度合いが高い国、という市場の違いはありますが。)
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Pokemon Goの売上予測→他ソシャゲへの影響は限定的?


■目次
【日本】Pokemon Goの売上予測→他ソシャゲへの影響は限定的?
【世界】TAKARAで歩いてビットコイン集め
【日本】人手不足のスーパー、レジ「セミセルフ」拡大 マルエツ、180店で導入 ヤオコー、全店の2割に
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【日本】Pokemon Goの売上予測→他ソシャゲへの影響は限定的?
https://twitter.com/SociApp/status/759314373936422912
アプリ系では一番参考にしてる @TsubApp さんのTwitterより。
Pokemon Goの”国内”売上予測(日次)を3-4億円とされています。
月次で、100億前後。
ただ、Fateやモンストの方が売上が優っている、ということで他のソーシャルゲームの課金が軒並み落ちる、という状況ではなさそうです。
むしろ、課金するライトユーザーが増えて、市場としては大きくなる、という好感を持たれてました。
先日、元ソシャゲ会社にいた方とお話した時、課金の方法として以外にカードを使わない、という話をされてました。
若い人はコンビニ(ギフトカード)、そしてキャリア決済で、キャリア決済の方が単価上がる、と。
そして、ガチ勢になると(20万円/月課金はザラ、40万超えると一気に減る)、クレジットカードもあるが、コンビニキャンペーンとかでiTunesギフトカードを割安で大量に買って課金する、という話でした。
今後、ソシャゲ課金市場は増え続けるはずで、そこをうまく取り込めるカード戦略も必要になると感じています。
(要はカラオケとか、ゲーセン、さらにはテレビのパイを奪い続けるということです)
こちらはPokemon Goの地域活性事例です。
鳥取砂丘がポケモンGOの新しい聖地に。その裏には1人の男の努力が
http://news.biglobe.ne.jp/it/0728/nnp_160728_6199837182.html
【世界】TAKARAで歩いてビットコイン集め
http://www.trend-stream.net/bitcoin/takara-2573/
2年前からあるらしいのですが、最近話題のTAKARAについて。
要は、ある特定の場所に行くと、ビットコインをもらうことができる、というアプリです。
謎に日本が一番ビットコインが落ちてるようです。
ただそれだけで、何かの利用用途で盛り上がっている、というわけではないのですが、Pokemon
Go同様、場所に行くことのインセンティブ設計は今後流行るかもしれません。
【日本】人手不足のスーパー、レジ「セミセルフ」拡大 マルエツ、180店で導入 ヤオコー、全店の2割に
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO05346930X20C16A7TI5000/
米国では当たり前になっているセルフレジですが、国内でも拡大しそうな感じです。
マルエツでは、セミセルフという、商品のバーコード入力は人がやって、精算を自販機?みたいなもので行う、ということをしています。
“精算能力が4割高まり、利用者のレジ待ち時間が短くなるとみている。”
マルエツが実証実験をしていて、上記のような結果が出たため、導入店舗を一気に広げる模様です。
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カード番号を軸としたリアル店舗のCRM企業Indexが$19M調達


先日、アメリカのVCの人と話してて、Indexという会社が伸びている、という話を聞きました。
■目次
【アメリカ】カード番号を軸としたリアル店舗のCRM企業Indexが$19M調達
【日本】電子マネー・企業ポイント・仮想通貨の交換の可否の見解
【アメリカ】マスターカードが20年ぶりにロゴを更新、よりシンプルなデザインへと変更される
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【アメリカ】カード番号を軸としたリアル店舗のCRM企業Indexが$19M調達
http://www.index.com/
Google Walletを作った人たちが創業した、Index という企業が伸びていると聞きました。
これは、店舗のCAT端末にビルトインする形でソフトウェアを入れて、カード番号をベースにPOS情報とつなげて、顧客分析、メールマーケティングを行う、という企業です。
ある種、CLOの次の方向性、と言えるのではないでしょうか?
これを日本でやる場合は大きく2つのハードルがあります。
・CAT端末に簡単にインストールできるソフトウェアの開発
→アメリカだと有象無象のCAT端末メーカーがあってある程度標準ルールがあると聞いてますが、日本だと少数メーカーが作っていて、彼らを落とすのは非常に大変そうです。
・そもそも現金支払の割合が多い
→普通の小売だと、カードでの決済比率は20,30%程度でしょうか?
だとすると現金顧客もいかにデータ化するか?という店で結局ポイントカードに流れてしまっている現状があります。
ハウス電子マネーも20%の壁を超えれない、と凸版の人から聞いたことがあります。
もし変革するとしたら、EMV端末の強制置き換えの時に、Poyntのような新しいPOS/Cat端末が普及するか?というところでしょうか。
Poyntを富士通当たりが担いでくれたら面白いなーと思っています。
https://poynt.com/
【日本】電子マネー・企業ポイント・仮想通貨の交換の可否の見解
http://jba-web.jp/archives/20160708interpretation
賛助会員としてJCBも加入しているJBA(日本ブロックチェーン協会)が、電子マネー・企業ポイント・仮想通貨の交換の可否について発表していました。
大枠としては、仮想通貨と電子マネーの扱いはほぼ同じような見解を出されています。
ポイントとしては、企業ポイント→仮想通貨は◯、仮想通貨→企業ポイントは✕、電子マネー→仮想通貨は△、あたりでしょうか。
もちろん法的に確定しているわけではありませんが、わかりやすくまとまって事業を作りやすくなったとは思います。

【アメリカ】マスターカードが20年ぶりにロゴを更新、よりシンプルなデザインへと変更される
http://gigazine.net/news/20160715-mastercard-new-logo/
これは小ネタですが、マスターカードのロゴが変わるそうですね。
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