1月 262017
 

毎年恒例の日銀の「生活意識に関するアンケート調査」。
決済の設問もあってかなり参考になります。

■目次
【日本】 「生活意識に関するアンケート調査」(第68回)の結果
〜携帯電話・スマートフォンを読み取り機にタッチして支払い をする機能の利用状況〜

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【日本】 「生活意識に関するアンケート調査」(第68回)の結果

携帯電話・スマートフォンを読み取り機にタッチして支払い をする機能の利用状況
http://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki1701.pdf

Apple Payがリリースされた昨年の影響を受けてか「生活意識に関するアンケート調査」にモバイル決済の設問が追加され、『利用したことがある』との回答は6%となったそうです。
回答のグラフ↓

ただ「年に数回使う」パターンの人は、おそらくモバイルSuicaで新幹線買うだけな人だと思っており、日常的に使う人は5%もいないという結果に。
そして「当該機能がある携帯電話・スマートフォンを持っているが、使わない」回答が42.4%もいて、対象の端末を持ってる人の10%くらいしか使っていないという結果です。

そもそもApple Payも米国でそこまで普及しているのかわかりませんが、まあこんなもんか、という結果ですね。

では、これがこれからモバイル決済は普及するのか?

この類のサービスは、口コミでじわじわ拡がるようなものではないと思っており(既におサイフケータイがあるにも関わらず使っているのは数%という現状から)、利用者を増やすには大きなイベントが必要だと考えます。

イベントとしては下記4つが考えられます。
①Apple Payの定期の対応
②Apple PayにVisaのクレカがもれなく登録できるようになる&Visaの非接触加盟店が増える
③Apple Pay/Android Pay対応の端末が普及する
④Apple Pay上でポイントカードが使えるようになる

①Apple Payの定期の対応

いまいまでモバイル決済を使いそうな層で、定期を使っていない人はあまりいないのではないでしょうか?
定期利用者を計算すると、丸ノ内線東京駅で約半分が定期の状況で、Apple Payで定期が使えないから結果使ってない人はかなりの割合でいると思います。

» 関東交通広告協議会・各社・各駅 乗降人員・通過人員・輸送人員

私自身は、Androidモバイルスイカ定期のヘビーユーザーで、かなり使い勝手がよく、定期対応したらそれだけで2倍位までは一瞬で普及すると思います。
できればViewカード以外でのオートチャージも欲しいところ。

②Apple PayにVisaのクレカがもれなく登録できるようになる&Visaの非接触加盟店が増える

2020年に向けて、Visaやマスターカードを始めとしたブランド/当局は、EMV(IC認証決済)もさることながら、非接触型の決済端末を普及させたがっています。
というのも、オーストラリアを始めとする欧米諸国では、非接触のVisa加盟店はかなり増えていて、日本に来た外国人が、わざわざプラカード出さないといけないのか!さらにはサインもしないといけないのか!遅れてやがる!ってなるのは割けたいのです。
よって、2020までに何らかの転機が訪れるはず。
例. コンビニが全店で非接触Visa(payWave)を導入する。

③Apple Pay/Android Pay対応の端末が普及する

単純に、Apple Payが使えるiPhone7を持つ人が増えると、単純に使う人が増える、ということです。
ただ、Apple Pay使いたい人は既に7に移っていると思いますし、7以前iPhoneユーザーでモバイル決済している人は皆無だと思っており(機能がないから)、このシナリオは微妙かもしれません。

④Apple Pay上で共通ポイントカードが使えるようになる

実はこれが一番普及する糸口だと思っておりまして、Tカード/Ponta/dカードを、Apple PayでかざすだけでOKみたいになると、一気に広まると思います。
なぜなら、クレジットカードや電子マネー以上のDAU(日次利用者数)を誇っていると思いますし、お金のやりとりがない分、登録しやすく、不安も少ないためです。
これに慣れた人は、そのまま決済も使い始めるはずです。
ただ、これは”決済”ではないため、Apple Payでできるのか不明ですし、加盟店側のPOSをいじる必要があって(なぜなら今は磁気ストライプorバーコードのため)、誰がそこに投資するのか?が不明確ではあります。

あとは、iPhoneのNFC機能開放とかですかね。
そしたら、メルカリPayでコンビニで買い物♪みたいな、膨大なアプリユーザーを持つ非金融プレーヤーが一気にそこを取ってしまうかもしれません。

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» ビットコインの送金は結局早いのか?承認とは?
https://hello.vandle.jp/bitcoin-transaction/

11月 282016
 

先日、弊社プリカでビットコインチャージを再開して、その時に合わせてpediaにインタビューしていただきました。

» IoT化された新しい世界に必要な「カードの未来」…カンム代表取締役社長の八巻氏が語る、少額決済の可能性
https://thepedia.co/article/1422/?order=1&primary_tags=Kanmu

その中で、Apple Pay的な某(なにがし)が普及すると、メインカード、という概念がなくなると思います、ということを書いています。

1. Apple Pay的な某が普及すると、クレジットカードや電子マネーを複数持つことに負担がなくなります。そして、お店によって最もオトクなカードを自動で選択して決済してくれる機能が生まれます。 ※Apple Payにはそういう機能はありませんが、”某”が作るのは必然だと思います。

2. すると、ハウスカードが一気に増えます。なぜなら、そのお店で最もオトクな決済手段を提供できるのはそのお店だからです。ここで、与信のいらない全員に即時渡しできるプリペイドカードを選択するお店も増えるでしょう。

3. 同時に、ハウスカードすら出さずに、既存の決済手段に相乗りする、CLO/特約店✕CRMという分野が生まれます。要は、CLOで使った人のデータをお店のCRMと連動したらそれがいわばハウスカードの役割を果たすので、生カードを発行しなくてもよい、という選択をするお店も増えると思います。

4. カードの話に戻すと、このカードを主に使おう、ということがなくなり、メインカードという概念がなくなります。その場で勝手に一番オトクなカードが使われるのですから。一番はじめに作ったカードをなんとなく使い続ける層はいなくなります。ただ、ハウスカードがない場合の決済手段としてデフォルトカード、というものが生まれます。(ある種メインカードと言えますが、もっと消去法的です)

5. デフォルトカードの候補は、強いポイントを提供できるカード会社のカードが選ばれやすくなります。

6. そしてカードそのものにロイヤリティはなくなります。旅行のときは保険の強いカード、車乗るときは車のカードなど、シーンごとに使い分けられるからです。そして、リボや分割払いに強い、金融に特化したカードも生まれ、カードローンの人たちの参入が増えるでしょう。お店でブラックカードをちらつかせてモテる、という文化も消えると思います。

7. メインカードがなくなると、リボ等の金融商品の導線も弱くなりなります。よって、デフォルトカードを目指すカード会社(ポイント系、ラグジュアリー系)、ハウスカードを主軸にするマーケティング系カード会社、リボ専用カード等の金融に特化したカード会社に如実に分かれていくと考えています。

これは、一回自分のFacebookで出していた話でして、いただいたコメントのご回答を。

ポイント/割引オタクみたいな人はそうなるだろうけど、普通の人はそこまでしない

今のクレジットカード業界はまさにそうで、わざわざポイントのために複数のカードを持ち歩く人のほうが少ないとは思うのですが、それを1箇所にまとめて(スキャンしたりして)自動で出し分けしてくれる存在が、”Apple Pay的な某”、というものだと思っています。
敢えて某(なにがし)と書いてるのはそういうことで、そんな簡単なルールは今のマシンラーニングの技術でも割りと簡単に実現できると思います。

あとは、1箇所にまとめておける、というインフラの問題なので、それこそ2020までに、ブランドの非接触端末(スイカみたいにかざすだけで決済できるやつ:Visa payWaveとか)が普及すると、Apple Payじゃなくてもそういう某が作れちゃうと思うのです。

そうなると、カードというのはアプリ上で簡単に発行される、ということが選ばれるための前提条件となって、ブランドプリペイドが普及しはじめるような気もしています。
いよいよ小売が消費者金融を握る感じになるのでしょうか。

宣伝ですが、今回イシュアとしてのオペレーションを回している中で、あまり世の中に伝わっていないカードの仕組みとかを、こちらのコラムで書き始めていますので、もしよろしければご笑覧ください。

» ガソリンスタンドや宿泊施設がプリペイドカードで使えない理由
http://hello.vandle.jp/why-unusable-merchants/

iPhoneにフェリカ搭載の噂

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8月 302016
 

iPhoneにフェリカ、さらにはモバイルSuicaが載るのではないか?というお話について、実現の可能性と、カード会社への影響を考察してみました。

■目次
【日本】iPhoneにフェリカ 「おサイフ」に現実味
【欧州】ポケモンGOはライバルのアプリ内購入も加速―DoCoMo Digitalの調査が意外な結果
【アメリカ】ヘッジファンドの新たな武器は小型衛星

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【日本】iPhoneにフェリカ 「おサイフ」に現実味
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06477580V20C16A8000000/
» 「9月発表のiPhoneにFeliCa搭載」に新証言が続々――背後に、アップルとJR東日本を仲介した「日本のキャリア」の存在
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1608/26/news061.html

来月発表という噂のiPhone7で、フェリカが搭載されるのでは?つまり、モバイルSuicaやEdyがiPhoneで使えるようになる(かもしれない)というニュースです。
この記事では、JR東がフェリカ普及のために猛Push中、Apple側も唯一シェアの落ちてない日本市場を固める、ということが書かれています。

では本当にフェリカが載るのか、というよりモバイルSuicaが載るのでしょうか?
まず論点の一つとして、決済手数料がどうなるか?です。
そもそも電子マネーなんでそうそう高い手数料を加盟店から取ない中で、Appleがどういう収益構造を入れてくるのか?
ガラケーやAndroidのフェリカは、現状、携帯メーカーが頼んで載せてもらっているそうで、メーカー側が決済手数料なんて取れないのが当たり前の中、Appleが手数料を要求した場合、JR東がフェリカ普及のためにその条件を飲むのか?
上記の記事を見る限り、JR東とAppleだとAppleの方が力関係が強そうで、Apple Pay同様に電子マネー事業者にフィー請求することになるでしょう。

また、Appleのメリットを考える上で、これをやった場合Apple Payがどうなるのか?も考えないといけません。
実際にiPhoneにモバイルSuicaが載った場合、モバイルSuicaの普及は相当数見込めますが、それでApple Payの普及が遅れる場合、Apple側としては導入は難しい。
そこを左右するのはおそらくコンビニで、iPhone決済はモバイルSuicaだけでよくね?となるのか、Apple Payもちゃんと対応するのか?なのかなーと。
あるいは、Visa payWave/マスターカード コンタクトレスが、フェリカに対応するとなると、コンビニは導入がしやすくなるはずで、モバイルSuicaだけでなくApple Payも一気に普及します。(このシナリオはあまり現実的ではない気がしますが)

そしてカード会社への影響ですが、仮にコンビニのApple Pay対応無しでそのままiPhoneにモバイルSuicaが載るだけだと、トランザクションの低下は必至かと思っています。
単純にコンビニでのカード払いがSuica払いに流れるだけでなく、トランザクションが増えてSuicaの決済手数料が下がり、他の多くの加盟店がSuica払いに対応していくことで、カードの利用シーンが減るかもしれない、というシナリオです。
もちろん、クレカ払いしてる奴はポイント目当てだからそうそう流れない・流れるとしたたら現金から、とか、Suicaはあくまでプリペイドだからクレカとはそもそも違う、という考え方もあるので一概には言えませんが、大きな変化を起こすのは必至です。
また、どっちにしろ非現金払いが増えるので、銀行ATMの収益は激減しそう。

【欧州】ポケモンGOはライバルのアプリ内購入も加速―DoCoMo Digitalの調査が意外な結果
http://jp.techcrunch.com/2016/08/25/20160824pokemon-go-is-boosting-competitor-in-app-purchase-revenue-too/

以前からポケモンGOについては書かせていただいてますが、ポケモンGOによって、他のアプリの課金金額も総じて上がっており、スマホゲーム業界全体の底上げになっている、という記事です。
“つまりユーザーがモバイルデバイスでポケボールを買い始めれば、デジタル・グッズの購入に対するハードルは低くなる。”
とあるように、今まで課金をしたことない人が、この体験で課金し始めた、ということです。

【アメリカ】ヘッジファンドの新たな武器は小型衛星
http://jp.wsj.com/articles/SB10191232058230093692804582256142915944670

これは決済とはあまり関係ない小ネタですが、ヘッジファンドが小型衛星を導入する時代に突入しつつある、という記事です。
自社衛星を使って、例えば小売店の駐車場を常に監視して売上を予測する、だったり、石油プラントの採掘量を予測する、ということをヘッジファンド側でやる、ということが書いてあります。
この流れが本格的になると、リサーチが必要な全ての業種で人工衛星を打ち上げる時代が来るかもしれません。

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イギリス、EU離脱に伴う決済業界への影響

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7月 122016
 

business insider
■目次
【イギリス】EU離脱に伴う決済業界への影響
【アメリカ】Apple Payのウェブ版を公開、PayPalを追随

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【イギリス】EU離脱に伴う決済業界への影響
Brexit’s impact on payments
http://uk.businessinsider.com/brexits-impact-on-payments-2016-6
Visa ヨーロッパの買収完了、全世界で年間約6兆8,000億ドルの決済処理を可能に(Visa)
http://www.paymentnavi.com/paymentnews/58263.html

ビジネスインサイダーが下記の3点で決済業界への影響をまとめています。
・米ドルが強くなり、米ドル以外での通貨が使われることによって、米ドル換算での世界でのトランザクションボリュームが減る。
・一時的に通貨の乱高下があるため、送金業者が儲かる。
・EU基準で設定されていた、イギリス国内のカードのIRF(手数料率)が変わる。(上がる方向に動くだろう)

特に1個目は、円高が進む日本も同じはずで、毎年報告されている日本円換算のクレジットカードトランザクションボリュームが一時的に減少するかもしれません。

【アメリカ】Apple Payのウェブ版を公開、PayPalを追随
http://jp.techcrunch.com/2016/06/14/20160613apple-takes-on-paypal-with-apple-pay-on-the-web/

もうちょっと古い話題ですが、要はiPhone上でのWeb決済が、Touch ID=指紋認証でできるようになる、という話です。
これは結構インパクトがある話で、普及させるのにリアルだけだとどうしても加盟店に端末を入れて回る必要がありますが、オンラインであればすぐにリプレイスができます。
ユーザーとしても毎回新しいWebサイト/ECにカード番号を入れる手間も省ける。
課題としては、Apple Payユーザーの利便性のためだけに決済モジュールを変えるECがどこまで対応するか?ですが、見知らぬECにカード番号を入れたくない層を囲うためにApple
Pay対応する新参プレーヤーは結構いそう。

国内への影響ですが、いつリアルApple Payがスタートするかにも寄りますが、よりApple Pay普及のネタになることは間違いありません。
AmazonはID Paymentという似たような戦略を取ってるので対応しないと思いますが、例えば楽天なんかがアクワイアリング戦略込みでApple
Payを担いだとしたら、一気に市場が変わります。

GMO-PGもリクルートのAirレジと組んで、AliPayを担ぎだしているニュースもありますし、ネット側のプレーヤーが担いで広げる、というシナリオも考えられます。
リクルートライフスタイル、「モバイル決済 for Airレジ」で小売業や飲食業を支援
http://www.paymentnavi.com/paymentnews/55420.html

しかし、AliPayと違って、ApplePayは、主要な複数の(できれば全ての)イシュアと組む必要があるので、1社だけが抜け駆けする、という構造は難しいかもしれません。

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