ブロックチェーン技術のKYC(本人確認)への応用

■目次
【日本】リテール決済カンファレンス「ブロックチェーン技術のKYCへの応用」
【中国】激戦の中国モバイル決済、アリババ追う武器は
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【日本】リテール決済カンファレンス「ブロックチェーン技術のKYCへの応用」

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/rel160526b.htm/
「ブロックチェーン技術のKYCへの応用」
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/data/rel160526b8.pdf
※KYC=Know Your Customer
先日、日銀主催での決済のカンファレンスが行われましたが、その中でも「ブロックチェーン技術のKYCへの応用」が目新しいものでした。
要は、ブロックチェーン技術を使って、各金融機関のKYC済み個人情報を共有しよう!という野心的な試みです。
CEOの武宮誠氏、はもともとプライベートブロックチェーンのMijinでCTOをやっていて、国内のブロックチェーン技術者では随一と評されている人です。

実現されるのか?

言ってしまえばCIC(信用情報機関:http://www.cic.co.jp/)の代替にもなり得るわけですが、CICの始まりを鑑みても、なかなか一企業がやるのは厳しい気もしています。
CICも、法規制で地方に散らされた割賦販売→消費者金融が共通のDBを持ちたい、ことから始まり、そこから流通系(特に百貨店)、銀行系の信用情報機関を合併してできあがっています。※CICの歴史はあまり自信ない
やるとしたらはじめから多くの金融機関・ノンバンクの寄り合い状態を作れないと国内では広がらない。
しかし、寄り合い状態を作る=多くの株主を持つことになるとベンチャー企業のやり方ではかなり厳しいと思います。
実際、CICも金融庁と経産省の両方に指定を受けており、監督官庁がまたがってる時点で難易度がかなり上がります。
あるとしたら、それこそ金融庁or経産省or警察庁が社団法人なり団体なりを作って、そこの専属ベンダーとしてやる感じかなと。
ただ、そういう官庁が新参の一企業にそれを任せるか?(NTTデータならまだしも)と言われるとそれも想像しづらく、まずは海外で実績作って逆輸入パターンが正攻法に思えます。
あとは、金融に踏み込んでるネット系企業(楽天、ヤフー、LINE等)で実績作るか。
ただ、金融庁としても、反社対策としてKYCの一本化、シンプル化には非常に興味があるそうで、チャンスはありそう。

実現されるとどうなるのか?

各金融機関のKYCに対するコストがかなり安くなるはずです。
反社チェックもほぼ自動で行えます。
反社チェックの精度が上がると、資金移動業の100万円制限とかも撤廃されるかもしれません。
ブロックチェーンに個人情報を乗せれるということは、クレジットヒストリーも、現時点の貸付残高も全てデジタルで各企業が勝手に厳密に管理できるということで、CICはいらなくなります。
しかし、それは国も個人個人の貸金状況を管理できるようになることも意味しており、貸金における総量規制にはじまる、より精緻な貸金の条件が付加される可能性があります。
例えば、経産省管轄のリボ払いも今はキャッシングほど縛りは強くないですが、縛られる可能性が出てきます。

今できることは?

ちょっとこれは先進的なので、流れを注視する、ということになるかなと。
実際、一番はじめに参加する金融機関のメリットは、コスト削減以外であまり見当たらないため、誰が一番はじめに手を挙げるのか注目。

【中国】激戦の中国モバイル決済、アリババ追う武器は

http://jp.wsj.com/articles/SB11031890582215644392604582083491757114450
Alipayについては、先日からお送りしておりますが、ライバルのWeChat Payがシェアを伸ばしていることが分かる記事です。
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