【カンム紹介】事業計画を公開して共通言語を作る

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前回に続き、会社で意識していることを書きます。
» 【カンム紹介】前提知識の平準化のための勉強会

前回とも被るのですが、とにかく「前提」を共有することを意識しています。
その中で、いちばん重要なのは会社の方向性を示すもので、それを具体化した事業計画(Excelの月次収益計画)を事業開始当初から全社に共有しています。
短期の今後の計画(戦略・人員計画)や、ビジネスモデル、過去の履歴が全ていじりようのない数値として記載されています。
なお、弊社の事業計画の記載ルールはこっちで書いてます。
» カンムで使ってる事業計画のテンプレを公開します
全社共有することのメリットは3つあります。
①社長以外がプロジェクトの優先順位をつけやすくなる
②会社がいつ黒字化する予定なのか伝えられる
③個別プロジェクト毎にどの程度の予算を考えているか伝えられる

①社長以外がプロジェクトの優先順位をつけやすくなる

何か意思決定をするとき、その決定がどの数値に影響し、売上にどの程度貢献するのかわかるため、”社長以外”が優先順位の判断する時に有用だと思っています。
AとBという次やりたいプロジェクトがあって、どっちがより売上(他KPI)に影響するのか?を各々が考えて決定できると、意思決定量が増えて、よりスピーディな組織になると考えます。
例えば、新規ユーザーを獲得する、既存ユーザーのリテンションを上げる、というどちらかを選ばないといけない時、売上により影響するのはどちらか?という軸を持って判断することができます。
もちろん、短期の売上なのか、1年後の長期の売上を取るのか?という判断もありますが、それもこの事業計画の上でシミュレーションすることができます。
また、「これをやるべき」と社内に伝えるときも、明確な数値のロジックで示せるので、納得感も得やすいです。

②会社がいつ黒字化する予定なのか伝えられる

正直、今弊社の事業計画は120行もあって、細かい計算式を理解できている人はそんなにいないのですが、黒字化しているのかどうか?というのは誰でもすぐにチェックできる数値になります。
特に新しく入った人に説明する時に重要で、「スタートアップである以上現時点では赤字だけど、この前提でこの時に黒字化します」、ということを言えると安心に思ってもらえるかなーと思っています。
また、「よくわからないけど、いつか黒字化すると社長が言っている」状態は健康的ではないと思っていて、いつ黒字化する、をちゃんと説明できるのとできないのとでは、組織の健康状態がだいぶ違う気がします。

③個別プロジェクト毎にどの程度の予算を考えているか伝えられる

現状、会社の重要なKPIを3つに定めていて、それぞれ責任者を作っているのですが、そのKPIを達成するためにいくらまでなら許容できる?ということも伝えられます。
わかりやすいところだと、新規ユーザー獲得の文脈で、「いつまでに”いくらで”何人獲得してほしい」、ということを明確に示せたのは、良かったことでした。

課題:運用コストがまあまあでかい

行数が多いと、説明コストが大きいことです。
週次定例の場などで、逐一説明するようにはしているのですが、自分が数値オタクのため、結構な頻度で修正するため、追っていくのも大変です。
結局、複雑だと誰も見なくなります。
そのため、今後は、事業の精度=解像度が上がるに連れて、行数は減らしていきたいと思います。
いまいまだと、経営陣しか詳細理解できていない部分も多いですが、今後は全社に理解してもらうようにしていきたいですね。
事業計画勉強会の機運、、、

【カンム紹介】前提知識の平準化のための勉強会

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2012年から決済系のブログを書いてますが、本業はバンドルカードというVisaプリカを発行するカンム、という会社の社長をやってます。
カード業界的には、イシュアという立場で、カード会員様の決済トランザクションをさばいて、アプリを提供し、カスタマーサポートもしているのですが、新しい人が入ると、全職種で「業務知識が多すぎる」「キャッチアップが大変!」という声が出てきます。
基礎知識として必要な資料は、おそらくパワポで200ページくらいいくと思います。
カスタマーサポートになると、アプリの仕様も含めて、500ページくらいか、、、
結果的に、弊社では勉強会を頻繁にやる文化が根付いていると思います。
これは、5月の勉強会のスケジュールですが、5回行われています(予定含む)。

具体的には、
・POWとPOS by @achiku
経産省「キャッシュレス・ビジョン」勉強会 by 8maki
・バンドルカード千夜一夜物語 by @achiku
・スパルタンSQL #2(SQL勉強会) by @moqada
・カード会社のIR勉強会(予定) by 8maki
これからは下記当たりに期待!
・Visa伝票勉強会 by 佐野
・有価証券報告書の見るべきポイント by 伊藤
これが多いのか少ないのかは分かりませんが、業務を圧迫しない範囲で、色々な人の色々な知識を共有する場は積極的に作っていきたいと思っています。
なお、achikuの「バンドルカード千夜一夜物語」は、今までの流れをまとめただけでなく、意思決定や悩んだところも話していて、判断基準をなんとなく共有するのに非常に良いです。

 

というのも、ベンチャーはスピードの速さが命、という話はよく聞きますが、では何をしたらスピードが早くなるのか?というのは会社によってマチマチだと思います。
自分としては、スピードの早い組織として「誰もが同じ前提を知っていて、同じレベルの意思決定が個々人できる状態」というのを一つ、定義しています。
前提を知らないことによる誰かへの確認や、ズレた状態で突っ走って是正するための遅延を、なるべく削ぎ落とすことでスピードを上げます。
小難しい表現をすると、各人のベクトルの内積を最大化するイメージ。
勉強会以外でも、何かやる時は、とにかく社内Wikiに前提を書き下して、判断基準を明確にして、全公開しています。
前提知識とロジック、さらには想いも含めて、知的格闘技の様相を呈していると思っていて、そういう環境で全力を発揮したい!あるいは発揮できる組織を作りたい!という人を全力で募集しています。

他にも、バックエンドエンジニアやアプリマーケターなど、全方位で募集しているので、ぜひご一読を。
https://www.wantedly.com/companies/kanmu/projects

バンドルカードの描く未来について


今、バンドルカード、というクレジットカードを持てない人向けに、アプリをインストールしたらVisaカード(プリペイド)が持てる、というサービスを提供しているのですが、改めてそのサービスのビジョンについて書きます。

お金の流れをスムーズにする

よくあるFinTech企業が標するビジョンではありますが、やはりこれがFinTEchの本質なんだと思います。
私はこの知恵袋のベストアンサーがわかりやすくて好きです。

富という物は、増える物なのだよ。そのメカニズムを説明いたしましょう。
たとえば、世界に二人(A君とB君)しか人間がいないとしよう。そして、1万円札が1枚だけあるとしよう。この時点では、世界全体の富の合計金額は、たったの1万円ということになる。
最初、A君が1万円札を持っていたとしよう。B君はそれが欲しかったので、A君のために家を作ってあげて、A君に1万円で売ってあげた。その結果、今度はB君が1万円札の所有者となった。A君の手からは1万円札が失われたが、かわりに家が残った。この時点で世界全体の富の合計金額は2万円ということになります。(1万円札+1万円相当の家)
次に、A君くんは、ふたたび1万円札が欲しいと思い、B君のために家を作ってあげてB君に1万円で売ってあげた。その結果、今度はA君は1万円札と家の所有者となった。B君の手からは1万円札が失われたが、かわりに家が残った。この時点で世界全体の富の合計金額は3万円ということになります。(1万円札+1万円相当の家が2軒)
こうして、A君とB君との間を1万円札が行ったり来たりするたびに、A君とB君の手元には、様々な不動産や価値ある品物が増えていった。(つまり世界全体の富の合計金額が増えていった)
» お金を儲ける事に遠慮してしまいます。自分でも

お金が動けば動くほど、冨が増えていく。
この流れをもっと促進したい、というのが根本にあります。
お金の流れを阻害する一つの要因が、手数料だと思っています。
一つの例として、クレジットカード決済における加盟店手数料をイメージしてください。
現状、加盟店は2~8%程度の手数料をカード会社に支払っています。
カード払いで単価が上がる、というロジックでの手数料で、実際一定の効果はあるのですが、この手数料分を商品の値段に転嫁して、商品自体の値段が上がってしまっていることもあると思っています。
実際、少単価の加盟店では、そもそもカード決済を導入していない加盟店が多いのが実情です。
商品の値段が上がると、買えない人が出てきて、買わないとお金が動かなくなってしまいます。
また、手数料分、加盟店側の利益が減ることで、従業員の給料も減り、またお金が動かない要因となります。
かたや、中国のWeChat Pay/AliPayは0.5%程度の手数料で、下手したら現金よりやすいコストとなっていて、ビットコインといった新しい決済インフラが生まれている中で、お金を動かすことそのものに手数料を取る時代じゃなくなりつつあるのではないか?という問題意識です。
ただ、今の環境で手数料だけが下がってしまうと、とにかく大量トランザクションを生める超大手企業しか生き残れないと思っており、それはそれで問題だと考えます。
そこで、お金を動かす時の手数料ではなく、動かした結果生まれる、データで稼ぐカード会社、を創りたいと思い今の事業をはじめました。
具体的には、2013年からやっているCLO(Card Linked Offer)というサービスで、データをマーケティングに活かすチャレンジであったり、新しい与信モデルを構築して、もっとカジュアルな少額のクレジット機能(カード決済した翌日に払える等)を提供したり、ということを考えています。

誰もが使える”わかりやすい”決済手段を提供する

また、これだけカード決済が普及しているのにもかかわらず、国内にはまだ数千万人規模でクレジットカードが作れない人がいます。
特に、年齢制限/勤務年数という、自分ではどうすることもできない理由で作れていない層も、その多くを占めると思っています。
もちろん、クレジットカードそのものの利用は慎重であるべきだと思いますが、今やインターネット/スマホの普及で、カードがないと買えない商品・お店が増えてきているのも事実であり、そもそも年齢制限等で持てない、というのはフェアじゃないと考えます。
そこで、与信不要で誰でも持てるVisaのプリペイドカードを提供しています。
アプリ上で、リアルタイムに残高や明細を管理できて、カードの停止・復活も簡単にできる、わかりやすいカードを志向しています。
今までのクレジットカードはわかりにくい(登録方法がわからない、どうしたら作れるかわからない、いつ払えば良いのかわからない、いくら使ったのかわからない)、そこも一つのカードを持てない/持たない要因の一つだと考えており、わかりやすさを追求していきたいです。
特にこれからは、物を持たない時代、シェアの時代になっていくはずで、そうなるともっと単価が少額となって、キャッシュレス化が進むと思います。
具体的には、学校の参考書を章毎に先輩から借りる、家で醤油が切れたらマンションの共有醤油を10ml 10円で買う等、色々なシーンでの少額決済が広まり、そこに対応した誰もが持てる決済手段のニーズが飛躍的に高まると予想しています。
以上のようなビジョンに興味ある人は、是非ご応募ください。
» 若年層向け、VisaカードアプリのJavaScriptエンジニア募集!
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