アプリマーケティングの変化 – iOSリワードの報酬激減とモバイルWebの勃興


今日はスマホアプリ系の話題です。
ちょうど先週出たiOSアプリ課金アフィのニュースと、ここ2年でのモバイルウェブとアプリのバランスについてです。
■目次
【日本】App Storeのアプリ内課金アフィリエイト日本だけ7%→2.5%に引き下げ
【日本】モバイルウェブ、この2年で82%成長
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【日本】App Storeのアプリ内課金アフィリエイト日本だけ7%→2.5%に引き下げ

http://app.tokyo/2016/10/18/10144/
今まで、App Storeが公式に出していたアフィリエイトの仕組みがありました。
要は、このリンクを踏んでアプリで課金すると、そのリンクを提供した業者に7%を報酬として支払う、という仕組みです。
カード会社のポイントモールと仕組みは一緒で、アプリ課金に対して報酬があるのと、Appleが公式に提供している点が異なります。
その報酬額が課金額の7%だったのが、2.5%に下がった、というニュースです。
しかも日本だけ。
これは、ユナイテッドが運営しているSMARTGAMEといった、アプリ課金専用のモールのようなところを狙い撃ちしたAppleの施策、という見方です。
https://smartgame.jp/login_top.html
SMARTGAMEでは、このサイト経由でアプリ課金すると、5%がキャッシュバックされるサービスをユーザー向けに提供しており、残る2%を売上としていました。
これが、報酬額が2.5%になったので、実質2%くらいしかキャッシュバックできなくなり、売上も0.5%となり、死屍累々となるかも、という話です。
また、アプリのマーケティングで中心だったブースト(インストールしたら50pt!のようなアフィリエイトを大量出稿して一気にランキングを上げる)が規制されて、この方法が確立されたのですが、これも規制されたので、次のゲームを中心としたアプリのマーケティング手段がどうなるのか、が注目ポイントです。

【日本】モバイルウェブ、この2年で82%成長

 アプリ上場企業のイグニス取締役の佐藤さんのツイートです。
スマホ向けのサービスを見る上で、モバイルウェブとアプリは分けて考える必要があります。
モバイルウェブは、GoogleやYahooから検索して、SafariやChromeで見るスマホに最適化されたWebサイトで、アプリはApp
Storeからインストールするものです。
その2つのバランスがここ2年でも大きく変化したよ、という話で、モバイルウェブへのアクセスが2倍弱になったけど、滞在時間は3割減、かたやアプリはモバイルウェブの20倍の滞在時間があるけど、もはや新しいアプリはインストールされなくなってきている。
つまりは、簡単なお知らせや消費向けコンテンツはモバイルウェブに、がっつりコミュニケーションする必要があるものはアプリに、という住み分けがはっきりしだした、ということだと思います。
しかし、アプリは新しくインストールさせるのが難しくなっており、アフィニュース同様アプリマーケティングの難易度が上がっています。
ちゃんとアプリ名で検索されるようにマスマーケティングをしないといけない、ということかもしれません。
続きはWebで、じゃなくて、続きはアプリで、的な。
例えばカード会社で、新しいコンセプトのアプリ(例. メディア系アプリ、モールアプリ、CLOアプリ
等)出す場合は、まずは明細アプリ等のテッパンのアプリでユーザーを獲得して、そこから流すとか、知名度のある自社名を冠したアプリにするとか、より工夫が必要になりました。

【告知】
9/16にオリコ様と組んで、アプリ型のVisaプリペイドカードを発行させていただきました。
» カンムとオリコが提携し、Visaプリペイドカード『Vandle』発行
http://vandle.jp/

iOS9で実装されるアプリ間連携の世界観とは?

これもまた、@mdudasのTweetから。


Button社のBlog、「How Apple is teaching the world about app connections」のメモ。
iOS9でアプリ間連携の実装が色々増えるらしい。

Backボタンが実装される


アプリ間の移動について、Backボタンができるとのこと。

Universal Linkが実装される

今までのDeep Linkは、twitter://user/button のような形だったが、これが http://twitter.com/button でTwitterアプリの @button アカウントにアクセスできるようになる。
アプリがなければ、Webにアクセスできる?

Deep Linkの確認ダイアログができる


アプリからアプリに移動する際に、確認ダイアログを出せるようになる。

SpotlightのインデックスにDeep Linkが入る

要は、iOSの検索機能で、アプリの中まで検索できるようになる。

感想

先日、記事にしたWeChatでは、一つのアプリ上でプラットフォームを展開していた。
iOSは、アプリ間連携を促進し、OSレベル(アプリ間レベル?)でのプラットフォーム構築を目指してそう。
そうなると気になるのは、リンク時の挙動と、検索”的”なものは何か?ということ。
リンク時の挙動という意味では、以前、Deep Linkでの移動時に、ジャンプ先のプレビューが見れる、みたいなものがリリースされていた。

これは、飛ぶ前にプレビューを見せてくれるというわけではなく、実際に飛んだ際に、アプリがなかったらアプリを入れるとこんなコンテンツが出るよ!ってプレビュー出す代物。
アプリのインストール率がめっちゃ上がる、ということらしい。
今までのコンテンツレベルという意味でのサイト間移動がほとんどだったところから、アクションレベルでのアプリ間移動という変化が起きている。
そうなると、ジャンプしたらどうなるか?を把握することは、UX上非常に大事なことになってくる。
飛び先がコンテンツだったらプレビューだし、アクションだったらできることの説明、とか?
さらには、アクションを起こす入り口となっていた”検索”というものも形を変えてくるはずであって、そこを握りたいのが、Buttonなのだろう。
ブログでもこんな感じで書いてるし。

OS-level deep search could be a huge source of new organic traffic to apps, but how it will work (& it’s potential volume) is still ambiguous.

また別の解として、メッセージングをコアにしたWeChatのアプローチは秀逸な気がする。
アクションの入り口が、コミュニケーションから、っていうのは非常に自然。
で、国内でそのポジションを明示的に目指していそうなのが、WeChatアプローチとしてのLINEと、Google的アプローチとしてのGunosy、なのかな〜と。
コンセプトは、auのsyn.もそうなのかもしれない。